カレリア共和国は、ロシア連邦を構成する共和国の一つで、フィンランドとの国境地帯に位置している。人口は約60万人と、南近隣のサンクトペテルブルクの人口の3分の1にも満たない。首都はペトロザヴォーツクで、カレリア共和国の人口の多くはペトロザヴォーツクに集中する。
カレリアは、豊かな森林と数多くの湖沼を有する美しい自然環境に恵まれている美しい地だ。フィンランド音楽、特にフィンランド民謡にもカレリアの地はたびたび登場するが、これは、フィンランド語の仲間である、カレリア語を話す人々の故郷であり、フィンランドにとっては歴史的に重要な土地だからである。フィンランド独立後、冬戦争が勃発、フィンランドが一時的に占領するが、すぐにロシアに奪還されることになった。カレリアの文化は、フィンランドとロシアの影響を受けつつも、独自の伝統を維持してきたが、年々ロシア人の人口が増え、カレリアの文化は無くなりつつあるという。
他の共和国同様、国旗、国章、国歌が定められているが、他の共和国の国歌はロシア語+現地語若しくは現地語のみで歌われるのと対照的にカレリア共和国はロシア語だけで歌われるのが一般的である。これは、カレリア語を話せる人がほとんどいないことと関係する。
国歌はフィンランド民謡「カレリアの丘にて」を曲の中に取り入れたもの。民族要素を上手く取り入れている。以下がその歌詞と翻訳である。ロシア語については理解がないため、カレリア語の歌詞を翻訳した。
Kodirandu — Karjalu!
Igäine kaunis meijän mua.
Heimokanzat yhteh suat,
Karjalu!
Tuo kuunnelkua järvet dai mečät, suot
Kui sydämeh oma mua pajuo tuou.
Se mäin piälpäi selvembi nähtä voi —
Vie parembi kaikkii mua meijän roih.
Kodirandu — Karjalu!
Ozan kel elä igä kai.
Ryndähis meijän yksi vai —
Karjalu!
Tiä runoloin rohkiembat poijat vie
Kai eletäh salolois, järvien ies.
Pajo lennä, kandeleh helkieh lyö,
Kiitä Karjalua kaikkie muadu myö.
Kodirandu — Karjalu!
Runot dai pajot elos piet.
Nägyy tiä päivännouzu vies,
Karjalu!
Päiväzen nouzu nägyy vies,
Karjalu
私たちの故郷は、カレリア!
永遠に美しいわが大地。
民族が一つに結ばれる、
カレリアよ!
聞け、湖と森と湿地がざわめき
私の心に歌を呼び起こす。
丘の上からから見えるだろう
私たちの大地は一層美しく輝いている。
私たちの故郷は、カレリア!
この地とともに永遠に生きよう。
私たちの胸は一つに燃える
カレリアよ!
叙事詩の勇敢な息子らは今もなお、
森と湖のほとりに生きている。
歌よ響け、カンテレの音色は響き渡り
カレリアをこの地のすみずみまで讃えよ。
私たちの故郷は、カレリア!
詩歌と歌謡は命を与える。
地平線に日は昇る、 カレリアよ!
地平線より日は昇る、 カレリアよ!